自然な信頼や敬意を引き寄せ、
ビジネスを活性化する有力な武器
「エグゼクティブプレゼンス」は
生まれつきの才能ではなく
後天的に身につけられるものである
「やはり必要だ」そう思う人も企業も増える一方
これからビジネスで重要性が増すのは、エグゼクティブ プレゼンス(Executive Presence」です。
エグゼクティブプレゼンスとは、「一流の存在感」とも訳されます。一般的には経営者・リーダー層・社会上層部にふさわしい存在感・雰囲気・格を指します。つまり、その人の重要性や価値がすぐわかるような雰囲気、振る舞い方です。
このように言葉で説明すると、分かりにくい感がありますが、「誰かをパッと見ただけで『トップだ」『多分すごくデキる人だ』と咄嗟に感じたことはありませんか?」と聞くと、「ああ、そういえば」と腑に落ちる人は多いでしょう。エグゼクティブプレゼンスを持っている人は「説明の仕方はわからないが、誰でも見ればわかる」ものなのです。
「エグゼクティブプレゼンス」は、米国などビジネス先進国で「上に立つ人必須の資質」であり「リーダーシップの重要な要素」として一般的に認識されています。そのため、「エグゼクティブプレゼンスの有無」は昇格要件、評価項目によく見られます。またマネージャークラス以上の転職、いわゆる「ハイクラス転職」の募集要項でも「必要なビジネススキル」の中に記載されているケースがあります。
もともと、ビジネスパーソンがある程度のキャリアに達したり、一定以上のポジションについた場合、いやでも意識せざるを得ないのが「エグゼクティブプレゼンス」でしたが、オンラインコミュニケーションが一般的になり、世界と容易に繋がる場面が増えた今、世界を近く感じ、「やはり必要だ」と思い始める人も企業も増える一方です。
なぜなら、お互いに接する機会は広がった反面、お互いの理解にかけられる時間は短くなる一方です。その点「エグゼクティブプレゼンス」は、ある人間が信頼に足りる人格や経験値、能力を持つ人物であることを、言葉によらず雰囲気で瞬時に伝えることができるスキルとして、重要性が増しているのです。
日本では、「エグゼクティブプレゼンス」という言葉も概念も、まだ浸透しているとは言えない現状ですが、早い人はすでに身につける用意をしています。世界企業も研修やトップトレーニングに動き出しました。
手に入るスキル
「早い人はすでに身につける用意をしている」と言うと、「そんな雰囲気は生まれつきのもので、身につけようとしても難しいのでは?」と思うかもしれません。
確かに生まれつきそのような雰囲気を身につけた人は決してゼロではありません。これはうらやましいことです。しかし、エグゼクティブプレゼンスについては、ほとんどの人が後天的に身につけるものであり、身につけられるものです。
エグゼクティブプレゼンスは雰囲気が先に来ますが、実際は振る舞い方や話し方、マインドなど複数の要素が組み合わさって生まれているものです。単なる見かけだけでなく、表現力、自己演出力、コミュニケーション力を含む総合的な社会的知性なのです。そのビジネス上での効果と実用性、そして必要性はすでにビジネス先進国では認められています。
だからこそ、「エグゼクティブプレゼンスの有無」はビジネス先進国では昇格要件、評価項目になるのです。エグゼクティブプレゼンスは、ある一定のキャリアに達した人間、一定以上のポジションについた人間は、自覚を持って自ら得るべき「スキル」と捉えられているからです。
また「ハイクラス転職」の募集要項で「必要なビジネススキル」に記載されているケースについてもそうです。エグゼクティブプレゼンスは、瞬時に自然に信頼と尊敬を周囲から引き出すことができる、そんな品や雰囲気ですので、商談、説得、広報、部下指導などさまざまなビジネスシーンで有利にことが運びやすくなります。それだけ仕事でのパフォーマンスが期待できます。
加えて、そういった人物は周囲に及ぼすポジティブな影響や、企業イメージや商品ブランドに寄与する可能性も見逃せません。
一握りの才能のある人間がエグゼクティブプレゼンスを持っているだけなら、上のような評価項目にも、転職の募集要項にも入るはずがありません。
英会話やプログラミングスキルと同じように、手に入るスキルであり、ビジネスの現場で必要とされるためにこれから手に入れるべきスキルです。
丸山 ゆ利絵
プレゼンスコンサルタント®/アテインメンツ合同会社 代表