年下の社会人にモノを贈るなら?

出会いや別れの季節。

そんな季節に
「贈り物」に関するちょっとした相談を
いただくことがあります。

 

特に多いのは
「社会の先輩として、若い相手に何かを贈るケース」。

どんな贈り物ががいちばんいいのか迷います。

迷う人が多いのは
相手の好みをあまりよく知らず、
そんなに予算もかけられない場合。

予算をかけられないが
安っぽいものも贈りたくないですよね。
やはり先輩の「格」というのがありますから。

何より、
若い相手に役立つものを贈ってあげたい。

そんなときには、どう選べばいいのでしょうか?

 

社会人だからネクタイ?

 

「ネクタイ」を思いつく人は多いようです。

ただ、
相手がだいたいいつもどんなものを着ているか、
あるいはどんなテイストを好むのか
といったことを知っている必要があります。

全体のスタイルに調和しないネクタイは
もらっても困りそうですから。

やはり
あなた自身がそれなりに趣味が良く、
スーツの着こなしについて
それなりに知識があることも大切です。

そのうえで
「彼には、こんな感じが役に立ちそうだ」と
自信をもって選べるならば
ネクタイは良い贈り物ですね。

……すみません。
このように皮肉っぽく言ってしまうのは、

ネクタイを安易に贈る人、
また安易に贈られて困る人を
両方よく見ているからです。

ネクタイに代表されるスーツの「Ⅴゾーン」は
その人の雰囲気、もしかしたら信頼を
結構左右してしまうかもしれない大切なところです。

ですから、
もしそれを贈るとしたら、
かなり気を遣わなければならないはずです。

予算も意外とかかるのです。

2万くらいの予算をかけられるのであれば、
それなりのショップでアドバイスをもらいながら
それなりに質やテイストの良いネクタイを選べる可能性は
上がるかもしれません。

しかし
予算がそれより低ければ、
良いものを選べる可能性はそれだけ低くなります。

低い可能性の中で、
人のために良いネクタイを見つけるのは至難の業です。

安易に質の悪いものを贈ってしまっては、
ご自分の沽券にも係わりますし、
相手のためにもなりません。

だから、
ネクタイを贈り物に選ぶのには注意が必要です。

女性に対してのアクセサリーなども、
同様に注意が必要です。

 

名刺入れや財布は?

 

名刺入れや財布などの皮革製品も
考えられますね。

ただし、
名刺入れや、財布は毎日使うもの。

それだけに、
自分の感性や仕事などのスタイルにマッチするかどうかは
使う人にとって重要です。

また、デザインやテイストの他に、
日常や仕事で使うものなので
「機能性」もとても気になる部分です。

もしもあなたが、
贈る相手と縁(ゆかり)が深い人であったり、
上司として相手をよく知る人であったりするのなら、
「彼/彼女もそろそろこういう品(やブランド)を使ったほうがいいな」と考えて
相手から見ればワンステージ上に感じるような品物を贈る、
というのは非常に相手のためになるでしょう。

ただ、そういった品物の場合は、
値はもちろん張ります。

多くない予算の中で、
相手のこれからのライフスタイルや
次のステージを考えることなく
買えるものを買って贈る、というのは
相手に対して実は失礼なことかもしれません。
そうなれば
あなたの社会人としての経験や感性も疑われかねません。

実際にこういうグチも聞いたことがあります。

「異動のときに直属の上司から贈られたのが、名刺入れ。
革とキャンバス地でできた超カジュアルなものだった。

学生がサークルの名刺を入れるのであれば、
まだ使えそうなデザインだったけど
あんなのを持って得意先に挨拶できないし、
何より、自分はもっといいものをもうすでに使っている。

頂きものに対して悪いけど、
今まで一緒に仕事をしてきたのに、
ナゼ、イマ、コレ?と思って。
本当にその人を見る目が変わってしまいました」。

これは、せっかくの贈り物が
お互いにとって
すごくマイナスになってしまった
残念な例です。

「そんなこといったって、
予算がないからしょうがないじゃないか!」

と怒りそうな人もいらっしゃるかもしれません。

そんな人は
贈り物の種類を変えて、
予算を有効に使うことを考えてみましょう。

 

相手のじゃまにならず、相手に役立つものは?

 

相手のテイストに関してよく知っている
という自信がなければ

「愛すべき消耗品」を探す、ということに
フォーカスしてみます。

「愛すべき消耗品」とは、
質が良い、そしてそれだけに値段も少々高く、
若い社会人が自分のために買うには勇気がいるような消耗品です。

例えば、私自身が贈ってよく喜んでいただけるのは、
上質なハンカチ。

上等なリネンやコットンで作られ、
ふちは丁寧なかがり縫いのものです。

色は白か、薄いブルー。派手な模様や柄は入っていません。
せいぜい織り柄か、同色の糸によるイニシャルの刺繍くらいです。

1枚だいたい2,500円~5,000円くらいと、
若い社会人が自分で買うものとしては安くありませんが、
贈り物としてはリーズナブルです。

ハンカチ程度であれば、
その人の雰囲気を左右するようなことはありません。

しかも、
上質なものであればいざというときには結構重宝するものです。

また
上等なペーパーアイテムも喜ばれることが多いものです。
ペーパーアイテムとは「紙製品」ですね。

シンプルで質の良いレターヘッドと封筒、
同じくシンプルなカードと封筒のセットなどは
デスクの引き出しや仕事用のバッグの中にあると
ちょっとあらたまったメッセージのときに
思いのほか役立つものです。

革製のレポートパッドホルダーも、
顧客の前で資料を出したりする人には向いています。

黒やダークブラウンの、
シンプルで男女問わないデザインのものが多いので、
相手のテイストからはずれる心配もあまりありません。

しかも名刺入れや財布と比べて
安価でも比較的ちゃんとしたものが手に入ります。

 

相手にとって「ちょっと良いもの」を使う機会

 

また、「消耗品」としては
「しっかりしたブランドの
それほど高くないバージョンのボールペン」
(長くてすみません)も意外と役立ちます。

万年筆の場合は使う人、使わない人が
はっきりしているのですが、
ボールペンは使う人も頻度も多いです。

自分でちゃんと気に入ったブランドをすでに持っている人でも、
しっかりしたブランドのボールペンなら、
セカンドとして喜んで使ってくれそうですし、

今までペンなどに気を遣ったことがなかった人であれば、
ちょっと良いものを使う経験をしてもらえるメリットがあります。

「ちょっと良いもの」は、意外と刺激を与えてくれます。

私自身は、むかし見るからに高価そうなノートを
5冊くらいまとめてキレイにリボンがけされた状態で
いただいたことがありました。

「こんなノートを使うような仕事はまだできない
もったいない」と最初は思いましたが
「このノートにふさわしい仕事がしたい」という気持ちに
変わっていきました。

相手はそこまで思って贈ってくれたのでしょうか。
今となってはわかりませんが、
やはりその時に考えたことを覚えているくらい
印象深い贈り物だったのは確かです。

 

相手にどんなメッセージを受け取ってもらいたい?

 

人にモノを贈るときには、
誰もがその人に対して
何らかのメッセージを届けたい気持ちでいると思います。

特に年下の人にモノを贈るときには、
あなた自身がその人に願う、
これからのその人の成長であったり、
その人に見てほしい上のステージであったりするはずです。

あなたが年下の人にモノを贈ろうとするとき、
あなたはどんなメッセージを相手に贈りたいか、
またはどんなメッセージを贈れるのか?
そんなことを考えて、しっかりそれを伝えてください。

本当はそれが一番大事なことかもしれません。

 

 

 

丸山 ゆ利絵

プレゼンスコンサルタント®/アテインメンツ合同会社 代表

 

 

 

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