「余裕ある態度に不可欠なマナー」
リーダーポジションにある
エグゼクティブが身につけるべき
最低限の心得とは
ビジネスシーンにマナーは必要なのか
ビジネスをする上で、マナーは必要でしょうか? 社会人になり立てのときに習うビジネスマナーではなく、社交にも使えるマナーのことです。日本でマナーのお話をすると、「もっと偉くなったら、そのうち」と少し及び腰になる方によくお会いします。また何か気に障るのか「そんな上っ面のことよりも思いやりを大切にしていればいいんだ」と強く主張してくる方にもたまにお会いします。
しかし、ビジネスをする上で、マナーは必要が?と問われれば、筆者としては「YES」と言わざるを得ません。もちろん、社会人になり立てのときなどは社交的な場面などはそうありませんから「そのうち」でもいいかもしれません。しかし、リーダー的なポジションにある人や、いわゆるエグゼクティブとして見られるポジションの人には必要になります。
マナーは立ち居振る舞いとも言い換えられます。立ち居振る舞いというものは、その人の社会的な人格を見られるものです。
社会的な人格とは、ビジネスシーンで生きる上で評価の対象となりやすい性格、すなわち社会とどのように関わり、どんな人とつきあい、どんな経験や能力を持つかを示すものと言えます。心根が優しいなどの個人の人格が核になるとは思いますが、これまでの人生経験や生き方や端的に現れているのが社会的人格です。
人が社会でその人を評価し、信頼できるかどうか、自分の属するコミュニティに入ってもらっていいかを判断するときには社会的人格を見ようとするものであり、そのときに立ち居振る舞いは観察されジャッジされます。そのときにマナーというツールを持っていると役に立ちます。マナーとは、その場でどのように振る舞うのか、そのために何を知り、どんな考えを持っているかを人に表現するツールです。そのツールを持ち使いこなしているほうが圧倒的に有利です。
ですから、ここでおススメしたいのは「最低限のマナーの心得はビジネスシーンで役立つ便利なツールとして身につけましょう」ということです。
必要と思うときには間に合わない
もし今「マナーが大切なことはわかった。では、偉くなったらそのうち・・・」と思っているあなた。大変残念な考え方です。それでは間に合いません。
なぜなら、マナーは頭で覚えてすぐに使えるものでもないからです。もちろん、付け焼刃でいけるものもありますが、たとえは食事の仕方などは、頭で覚えても身体がそのとおりに動かないと何もありません。うんちくは立派なのに、食べ方が今ひとつきれいではない人を想像してください。あまり社会的人格が高いようには見えません。
例えばこれをテニスなど運動を始めるときのこととして考えていただければすぐわかります。理想的なボレーやサーブの理論を頭でわかっても、専門書の本を眺めてすぐに試合には出られません。出ても思い通りに動けず惨敗でしょう。もっと良い動きで振る舞えるようになるのは、その理論での理想を思い浮かべながらかなり地道な練習をした後だと思います。
マナーも同様です。リーダーらしい落ち着きや余裕、エグゼクティブ然とした良い動きで振る舞えることが大事なので、色々な心得を知って咀嚼して身体を動かせるようにしておきましょう。大事なのは理論や理想を持って日々に活かすことです。
ですから、何年後でもリーダー的ポジションにある予定があるなら早めに手をつけはじめるべきですし、今のところなくてもできるところから始めて損はありません。
ビジネスシーンでは最初は能力を評価されますが、最終的なところでは人格で決まることが非常に多いのです。一日も早くマナーというツールをご自身の強力な武器にしてください。
エグゼクティブらしいマナーとは?
筆者は、その人の価値を「可視化」する表現力や演出力を伴う存在感=プレゼンスを身につけ磨いていただくための「プレゼンスコンサルタント」として、個人や法人まで具体的なご相談にのらせていただき、必要なトレーニングを行っています。そんなときご依頼をいただいて「個人コンサルティング」や「企業研修」を始めるときは、まずこのようなお話から始まることが多いです。
ご依頼本人「エグゼクティブらしいマナーを身につけたい」
法人ご担当「(トップに)エグゼクティブらしいマナーを身につけてほしい」
さて、あなたは「エグゼクティブらしいマナー」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?
今までお聞きしたお声からまとめると、多くの人が持つ「エグゼクティブらしいマナー」のイメージはこうです。
・ただのビジネスマナーではない
・「格の高さ」「落ち着き」を感じる振る舞い
・高級感があるところでも遜色がない堂々としたイメージ
・こなれた感じがする、余裕を感じる態度や所作
「マナー」というと形式的でカチコチのイメージを持つ人は、特に日本では多いのですが、筆者が持つイメージは上のようなイメージで「エグゼクティブのマナー」を依頼者に伝えています。個人コンサルティングでも、企業研修でも、「格が高い」「落ち着き」「堂々」「こなれた感」が感じられる立ち居振る舞いになるよう応用の効く知識からお伝えしているのです。
ちなみに、弊社では「エグゼクティブマナー」のことを別名「ソーシャルセンス」とも呼んでいます。エグゼクティブに必要なのは、ただの決まり事としてマナーを覚えることではなく、社会でしなやかに生きるセンスとして自分の中に取り込んでいただきたいと願っているからです。
「マナー」という言葉に形式的でつまらないコチコチのイメージを持つのはやめてください。社会的人格を示すのに必要なのは「格が高い」「落ち着き」「堂々」「こなれた感」が感じられる立ち居振る舞いを実現する知識や意識ある行動です。
そもそも経営者でも経営トップでも、または専門家である人も、管理職の人も、リーダー的なポジションにある人間は、色々な場面において、その役割やポジション、社格などのイメージを裏切らない相応の立ち居振る舞いができることが求められます。
リーダーポジションにある人間は、その社会的人格を通し、携わっている社業や事業のクオリティや信頼度までを体現し評価を受ける立場にあるのです。そして、その部下やスタッフなどから見ると、自分たちの上に立つ人の振る舞いはその組織の文化や風土、自分たち自身の将来像までを想像させるものです。ですから、おろそかに扱ってはいけないものです。
エグゼクティブらしいマナーとは、そうした「責任感」もともなった立ち居振る舞いと言えるのではないでしょうか。
3つのポイントと5つの重要場面
新人のときであれば「覚えたて」であっても初々しく見え好感を持たれるかもしれませんが、組織を牽引する立場の方や組織風土を体現する立場に近くなればなるほど、そんな初心者マークは周囲を失望させるもとです。とはいえ、マナーと一口に言っても広範なものです。ですから、要領よく要点をつかんでちゃっちゃっとつかんでしまいましょう。
そこで、まずお勧めする「身につけ方」の3つのポイントをお伝えします。
1. とにかく「印象コントロール」がっできるようになる。
(表情や姿勢、話し方、動作など、
人に接するときに最も大切な要素を洗練させることに励む)
2. 国際標準のマナーと和のマナーの違いを知っておく。
(マナーとひとくくりにせず
国や文化に合った立ち居振る舞いを柔軟に選ぶという意識を持つ)
3. ビジネスパーソンとして重要な場面に絞って、知識や振る舞いを身につける
(ご自身の大きな部分を占める社会で
まずレベルアップすることが成功の元)
では、3のビジネスパーソンとして重要な場面は、どんな場面でしょうか?
それはズバリ、次の5つです。
「人への接近のしかた」
「挨拶とスモールトーク」
「人の紹介」
「食事・パーティ」
「ホスト・エスコート」
これらに加えてさらに「ドレスコード(服装の選び方)」もしっかり知っておいていただくと、どんな場面でも余裕を持って振る舞えること請け合いです。
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これらをぜひ意識して身につけていってください。いつの間にか強い自信が身に付きます。
もちろん、コンサルティングや研修に興味を持たれたら、お気軽にご相談ください。
丸山 ゆ利絵
プレゼンスコンサルタント®/アテインメンツ合同会社 代表