黙っていても重みがあるように見られる人と、
逆に軽く見られてしまう人。
その差どこにあるのでしょうか?
3つのケースで考えます。
これと思うことは、 今日から改善しましょう。
変わりますよ。
■軽く見られるデメリット
その前に軽く見られるデメリットは何か考えてみましょう。
軽く見られるデメリットといえば、「自分の価値を認めてもらえていない」と自分自身が感じてしまうことです。
軽んじられ、認められにくいのは、あなたの意見、能力、存在。
例えば、 自分の意見はよくスルーされる気がする。 取引先から、本心から信頼してもらえてないように思えたり、 いざという時に、対外的な場に出してもらえない。 仕事で会う相手から敬意を感じられることが少ない。 信用を構築するのに時間がかかる、などが問題です。
もしもあなたがまだまだ新人、年齢も若い、仕事もまだ甘い、これからだ、という時期なら、それはしょうがないかもしれません。 自分では何となく嫌だなあ、と思っても、だんだん実績を積み人間として成熟する過程でいつか解消していく悩みであるでしょう。 しかし、 ある程度キャリアを積み仕事の能力も自信がある人や、管理職などリーダー的なポジションにいる人であれば少し困ったことです。
「同じような意見を言っているのに なぜかライバルの意見だけを 皆が聞く」
「名刺交換をすると、役職を見て 『え、あなたが?』という表情をされる」
「担当責任者として話をしても、 『上の方のお話も伺えますか?』と言われる」
「言葉の端々に、 『大丈夫かな』という 相手の不安を感じる」
このようなことを感じているなら問題は、ただ何となく嫌だなあ、という気分のことだけではありません。
信頼されにくいなら、商談などビジネスで機会損失をしている可能性や無駄に時間がかかり、生産性が落ちている場合があります。 また、実力より低い評価となり、キャリアアップや収入に実質的なマイナス影響がある可能性もあります。 リーダーシップを感じられず部下への指導力にもマイナス要因になることがあるでしょう。ぜひ改善を考えたいところです。
■「軽く見られる」理由は?
もし 「新人で経験が浅い」「若い」「仕事の実力がいまいち」 ということが理由でないのであれば、 「軽く見られる」理由はズバリ、あなたが持つ雰囲気やあり方、つまり「存在感」に課題があるからです。
「雰囲気や存在感なんてただの感覚的なことでしょう」とバカにしてはいけません。感覚的な要素こそ言葉を超え瞬時に人の意識に伝わるものです。 そして、人の感情に働きかけ、まとまった思考になる前に判断に影響を及ぼします。 あなた自身は仕事の能力もあり、責任感を十分持ち合わせていても、人がそれとは違う印象を感覚で受け取れば最終的に自分では望まない逆の評価を下されてしまう可能性は高いのです。
自分では望まない逆の評価を下されてしまいがちな人は、下記のどちらかのタイプであるでしょう。
A 自分が望む存在感に合う雰囲気作りになっていない、間違っている。
B そもそも自分の雰囲気やあり方にあまり関心を払っていないため未熟に見える
もしも、あなたが「軽く見られる」と密かに悩んでいるのであれば、上記のABどちらのタイプかをちょっと考えてみてください。 もしかしたら2つの混合スタイルかもしれません。
人の存在感を形成する要素は多数ありますが、まず目立つ3つのケースがあります。 それは、(1)たたずまい (2)話し方、動作 (3)装い この3つのケースそれぞれで「自分はどうか、どんな間違いをしている可能性があるか」と考えていただくと、事態改善がしやすいかと思います。
では、どういう間違いの可能性があるかを見ていきましょう。
■「軽く見られる」事態改善を3つのケースで考える
(1)たたずまい
たたずまいとは黙ってその場にいるときの雰囲気です。 周りがその存在を気にしてしまうような、良い意味で目を引くような存在感はよく「オーラ」と呼ばれます。 「オーラ」に関してはお伝えしたいことはたくさんあるのですが、それはまた別の機会にして、いちばん基本的なことを言いましょう。 まず大切なのは「姿勢」そして「表情」です。この2つだけで、どれだけ印象が変わるかを知ったら驚くでしょう。 下記のことは大丈夫でしょうか?
・ふだんから首が前に出ていないか
・気がつかないうちに肩が丸まっていないか
・ヒザが緩んだ立ち方をしていないか
・ふだんの表情に締まりはあるか
・表情が豊かに使えているか
たたずまいで軽く見られる人は、ふだんから自分の状態にあまり関心を払っていない人が多く、上で言えばBのタイプです。 ぜひ、大きな鏡で毎日自分の姿勢や表情をちゃんと見るようにしてください。
(2)話し方、動作
話し方や動作で軽い印象を人に与えている人は意外に多くいます。この2つはコミュニケーションの要ですから、日常的に人に与える印象に最も影響する要素です。 人が心を動かし、あなたの存在やあなたが言うことに関心を向けるようになるかどうかは、この2つが重要です。
例えば、発声の方法や話すスピードを変えるだけで、人に与える印象がかなり変わる例があります。 それだけ存在感に影響がある要素なのに、いっぽうで何も意識していないと日常的なクセの延長になってしまい、自分で損をしているところに気づきにくいのです。 まず、下記の点を見直してみてください。
・落ち着きのある声を意識する
・語尾を伸ばさない
・母音の発音にメリハリをつける
・つま先が内側に向かないように歩く
・無駄な動作を意識して省く
「落ち着いて見られたい」とふだん思っていることに反して、慌てたような速い喋り方になってしまう、ということはありませんか? これだと、上のAのタイプですね。あるいは全体的に「そんなことまで意識していなかった」ということもあるでしょう。それはBのタイプですね。
ふだん自分はこんなとき、どんな話し方をしているか?どんな動き方になっているか?ということに少し意識を向け始めると、変えたいところがわかってきます。
(3)身だしなみや装い
いつもちゃんとスーツやジャケットを着ているのに、軽く見られる、ということで悩む人は多くいます。つまり、それでわかることはスーツやジャケットを着たからと言って、それでいいというわけではないということです。
軽く見られがちな人は、下記のようなミスをしていることがよくあります。 いちど自分の装いの選択を再点検してください。
・サイズ感がおかしい(全体的なサイズ、上着やパンツ丈、袖丈)
・色や柄の選び方がおかしい
・アイテム同士の合わせ方がおかしい(コーディネート、アイテム同士の格合わせ)
・TPOに合わない服装
・ヘアスタイルがおかしい(スーツに合わない、年齢不相応)
・身だしなみに不潔感がある
日本では、社会人になるまで服装のことをきちんと習う機会はほとんどなく、また社会人になってからも自分自身を表現するための正しい装い方を学ぶことが本当にありません。 ですから自分ではちゃんとしたビジネススタイルでいるつもりでも、「感覚的に軽さを伝える」という点においては、上のA(自分が望む存在感に合う雰囲気作りになっていない、間違っている)ということが往々にして起こってしまうのです。(特に間違いがちな点は上の太字部分です)
具体的にあなたの服装のどこを直したらいいかを迷う人は、あなたが「あの人は落ち着いていて重みがある、存在感がある」と思う人を見つけて、自分がふだんしているスタイルと比較して見ましょう。 そこに「違い」を見出せれば、あなたも落ち着いた人と同じ雰囲気を服装で出せるようになるでしょう。
しかし、服装の前に、「清潔感」のある身だしなみは必須要件ですので、そこをまず気をつけてください。
以上、「あなたが軽く見られる理由」を3つのケースで考えました。
先に書いたように、あなたがある程度キャリアを積み仕事の能力も自信がある人や、管理職などリーダー的なポジションにいる人であれば、「軽く見られる」ことは由々しき事態です。 商談などビジネスで機会損失をしている可能性、生産性の低下、自分のキャリアアップや収入へのマイナス影響、チームへの悪影響などが可能性として否定できないからです。
海外のビジネス先進国では「軽く見られない、存在感でまず自分の重要感を相手に持たせる」ということは上に立つ人の能力やスキルの一つであり、リーダーシップの重要な一部として認識されています。そして、その能力やスキルは「エグゼクティブプレゼンス」といいます。
「エグゼクティブプレゼンス」は他のビジネススキルや語学力などと同様に、ビジネスパーソンが自分のキャリアに合わせて身につけていくものです。このスキルのトレーニングには、表情や姿勢などのたたずまい、話し方や動作、服装、他にコミュニケーションスキルやプレゼンテーション、公での立ち居振る舞いなども含まれます。ある意味、ビジネスパーソンのフィニッシング(仕上げ)と言えるでしょう。もし、あなたが「軽く見られる」ことに悩むなら、ぜひ身につけていってください。
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