カリスマになりたいですか？素晴らしいことに、あなたには自分でコントロールできる力がたくさんあります。それらを活かすことで「カリスマ的要素」を増やすことができるのです。

 

 

カリスマになりたいですか？

 

「カリスマ」と聞くと、誰もが惹きつけられる魅力や忠誠心を抱かせる求心力、生まれながらのリーダーシップを感じさせる存在感など、人々に強いインスピレーションを与える人物を思い浮かべるでしょう。

一般的に、本物のカリスマになるのは容易ではありません。カリスマとは先天的な強い才能を持つ稀有な（めったにない）存在です。

しかし、だからといってあきらめることはありません。努力次第では「カリスマ的な要素」を技能的に身につけることはできるからです。このカリスマ的要素を「カリスマ・エレメンツ」と呼びます。

 

カリスマ・エレメンツとは？

 

カリスマ・エレメンツは、リーダーやエグゼクティブ向けに研究されてきた技能です。自信に満ちた態度、プロフェッショナリズムや自己管理能力の高さ、豊富な経験による成熟感などを周囲に感じさせることができる力です。自然に好意や信頼、期待を引き寄せることが可能になる便利な技法です。カリスマのエレメンツは、日常的なコミュニケーションに加えて、スピーチやプレゼンテーション、会議などのビジネスシーンでパワーを発揮します。

スピーチやプレゼンテーションでは聞く人があなたに目や耳を向けるきっかけとなり、あなたが言うことに説得力をもたせる大きな助けとなるでしょう。また、会議や商談においても影響力を行使したいときに役に立つテクニックとなるでしょう。そして、使いこなすことで、自分のコントロール力に自信をつけやすくなります。

 

 

身につけるための「鍵」

 

カリスマ・エレメンツの鍵となるのは、「非言語コミュニケーション」です。

非言語コミュニケーションは、言語以外の手段によるコミュニケーションです。英語ではノンバーバル・コミュニケーション（non-verbal communication）とも言われます。

言葉によるコミュニケーションは、「話す」「文字で伝える」という手段がありますが、非言語のコミュニケーションは、表情や視線、声や話し方、動作など多岐にわたります。詳しい研究では、以下のように分類されています。

 

⚫ 外見的特徴（姿勢や服装など）

⚫ ジェスチャーと動作

⚫ 表情と視線行動

⚫ 音声行動（声や話し方）

⚫ 空間（空間の占め方・空間の選び方）

⚫ 接触（触れるか否かも含めた接触の仕方）

 

表情や視線、声や話し方、動作などのほかに、空間の選び方や接触の仕方も含まれるのは意外あと思いませんか？　また、ジェスチャーという言葉も気になりますね。

非言語コミュニケーションは言葉よりも伝達速度が早く、人の意識に強く影響します。それは潜在意識にも作用します。非言語コミュニケーションは言語よりも先に存在し、本能的な脳部位により近く、感覚や感情に大きな影響を与えると考えられています。

もちろん、言葉によるコミュニケーションにも重要な意義がありますが、非言語メッセージと言葉のメッセージが矛盾する場合、人は圧倒的に非言語メッセージを信じる傾向があります（MaCrosky & Richimond 1996-2002）。つまり、非言語コミュニケーションは言葉を凌駕する力を持つことが知られています。

非言語での表現力を磨くことで、他者とのコミュニケーションの質を向上させ、説得力や影響力を高めることができます。非言語コミュニケーションに関わる知識やスキルは、リーダーとしてのコミュニケーションやパフォーマンスにも必要不可欠です。

そして、更なる重要な点は、非言語表現の力で動くのは他者の意識だけではないという点です。 

自分の見た目や振る舞い方は、自己認識に影響を及ぼすことが心理学の研究でもよく知られています。非言語コミュニケーションのスキルは、他者とのコミュニケーションを向上させるだけでなく、自分自身も変革する力を秘めているのです。

 

 

あなたが持つ力とは？

 

素晴らしいことに、あなたには自分でコントロールできる要素がたくさんあります。姿勢、歩き方、表情、視線、声、話し方などです。これらは非言語コミュニケーションの質に大きな影響を与える要素です。

ですから、姿勢、歩き方、表情、視線、声、話し方などの重要性に気づき、コントロールすることを意識できれば、カリスマ・エレメンツの基礎力となります。この基礎力をまず身につけることは必須ですが、基礎力があれば、あとはいくつかのテクニックを覚えるだけで、カリスマ・エレメンツを使いこなすことができるようになります。

そうすれば、自信に満ちた態度、プロフェッショナリズムや自己管理能力の高さ、豊富な経験による成熟感などを周囲に感じさせることは容易です。あなたは自然に好意や信頼、期待を引き寄せる存在になるでしょう。スピーチやプレゼンテーション、会議などではあなたの話を聞く人はあなたに自然に目や耳を集中し、納得する場面を多く見ることになるでしょう。

カリスマ・エレメンツは、主に非言語コミュニケーションの研究から開発されてきたものですが、カリスマ的な存在であった人間の観察から分析され、分かったものもあります。そのような努力から、自然に目立ったり否応なく人を惹きつける人、物事を大きく動かせる人に共通した要素は研究されてきたのです。

カリスマ・エレメンツを活かしてきたのは、政治家や議員、企業トップやプロフェッショナルな専門家などに多いでしょう。例えば多くの人が好感度の高い話し方や、リーダーらしい立ち居振る舞いなどを密かにトレーニングやアドバイスで身につけ、自然な信頼や敬意を受け取り、影響力を行使するために使ってきました。実は、カリスマ・エレメンツは、ここで何度かご紹介している「エグゼクティブプレゼンス」を形成する要素でもあります。

エグゼクティブ・プレゼンスはビジネス先進国で「上に立つ人に必須の資質」「リーダーシップの重要な要素のひとつ」と言われます。エグゼクティブ・プレゼンスは「ひと目で一流、リーダー、とわかる存在感や雰囲気」と表現され、はっきりとつかみづらいものではありますが、身につけるために必要な事柄ははっきりしています。そして、それらの多くがカリスマ・エレメンツと重なります。

あなたは自分でコントロールできる要素、姿勢、歩き方、表情、視線、声、話し方を持っています。それらを整え、カリスマ的な魅力を身につける準備をすることができます。準備ができていれば、ちょっとした話し方のテクニックや心理学的スキルやジェスチャーの学習、服装の工夫などでもすれば、すぐにあなたにカリスマ・エレメンツを与えることになるでしょう。

非言語コミュニケーションに優れることで、カリスマ的な振る舞いが身につき、人を動かすことができるようになります。非言語コミュニケーションの要素は「人を動かし、自分も動かす」ことを意識し、自分の姿勢、歩き方、表情、視線、声、話し方を見直してみてください。