プレゼンテーションやスピーチという「誰かの話を注視して聞く場面」では、聞き手はまず話す人がどの程度の話し手なのかを無意識に測ろうとします。 そのような場面では、話し手にまず求められるのは、「このテーマでこの人間が話す」ことに対して自然に納得を感じさせるような様子や態度です。 ましてや、話し手が経営幹部や専門家、講師など、リーダー的立場にいる方であれば、その立場にふさわしい雰囲気や存在感は必須です。
講演会などで下記のような2種類の話し手がいた場合、「話を聞きたい」と、より多くの人に感じさせるのはどちらでしょうか? ●自然な自信に満ち、どこか惹きつける様子の話し手 ●自信や余裕があまり感じられない、平凡な様子の話し手 ほとんどの方が前者を選ぶはずです。なぜなら前者のような話し手に対して、聞き手は「いい話が聞けそうだ」という無意識の期待や信頼感を持てるからです。 そのような自然な期待や信頼感を獲得すれば、話の中へ聞き手を導入していくことが、そうではない場合の何倍も容易になります。
このような、自然に人を惹きつけ、自然に関心や期待を人に抱かせるのは、表層的な外見の良さではなく「対人魅力」を持っている人なのです。
非言語の伝達スキルとは、表情や視線、手足などの身体表現、服装選択などにより相手の意識や感情に影響するメッセージを送る能力です。言語表現と揃えて使う時には「パラ・ランゲージ」とも呼ばれます。
言葉で淡々と「これは重要です」と言われてもピンとこない話が、話す人の表情や様子によって胸にせまってきたことで「重要なんだ」と無意識に感じるということはよくあることです。そして、無表情な人間や言葉の抑揚が弱い人が人の感情に働きかけることはできません。できるのは、言葉にふさわしい表現が非言語の部分でもいかんなく発揮されている人です。 そのような人が聞き手の感情に働きかけ、聞き手を望ましい方向へ導きます。それはつまり成功するプレゼンテーションになるということです。
上のようなスキルは、ビジネスをリードする立場の人間には絶対必要な「エグゼクティブプレゼンス」と呼ばれるスキルの一環です。 エグゼクティブプレゼンスを直訳すると「エグゼクティブらしい重みのある存在感や上質な雰囲気」です。 ビジネス先進国では「上に立つ人間に必須の資質」と考えられ、マネージャークラス以上の人間が当然持つべき「ビジネススキル」としてカウントされます。 言葉によらず感覚で「この人間は信頼や期待にふさわしい」ということを周囲に納得させる「ビジネススキル」です。 そのような期待や信頼感が聞き手が話を聞く上での安心感にもつながり、聞き手が心理的に話の内容に共感・同意をすることも助けます。エグゼクティブプレゼンスの有無が、聞き手が感じる説得力も左右します。
優れた話し手は、話始め序盤で聞き手の注意力を引きつけるテクニックを心得ています。これを知っているかどうか、また実際にできるかどうかは話の成否を分けるでしょう。
手などのジェスチャー、話す位置や姿勢、方向の使い方など、人が無意識下で影響を受ける要素を利用することで、聞き手の脳や心理もコントロールできます。練習が必要ですが、これらを知ることによるメリットや気持ちの余裕は計り知れません。
あなたがリーダーポジションにあり、プレゼンテーション能力を高める必要があるなら、まずエグゼクティブプレゼンスを身に着け、そこから必要な要素やテクニックを体系的に順序良く身につけていくことをおすすめします。
話し手に自然に期待を感じさせる力、説得力や影響力を高める力は一朝一夕では身に付きませんが、やみくもに表面的なテクニックを探っていくよりは短期で着実な効果を上げることができます。また、その上で身に着けるテクニックであれば、表面的なものにはならず、さらにあなたが人に何かを伝える能力を高め、最終的にはカリスマ的な話し手にさえなれるでしょう。 そして、そのようにして身に着けた、卓越したコミュニケーション力は、プレゼンテーションやスピーチなどの舞台だけでなく、のちょっとした訓話、短いスピーチ、会議での意見発表、ビジネスでの説明会など、あらゆるビジネスの機会に応用がきく、真に役立つスキルとなります。
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